第一章

くんちゃん公務員になる



――本日はよろしくお願いします。


お願いします。


――先に転機が訪れる前の話を聞かせていただいてもよろしいですか?


図書館で働く人になりたいっていう夢を、もうずっと持ってて、21歳の時に、資格を取ろうって思ったの。でも、高卒で取れる図書館の資格って、図書館司書補っていう補がつく資格だったのね。


――それしかないんですね。


そう、図書館司書になるためには、短大とか大学出たり、専門学校出たり、もう1つ上の学校出てるか、図書館で働いた実績がないと受けられなかったの。それで、司書補っていう資格しかないなら、それを取ろうと思って、県外の学校に資格を取りに行ったの。その時やってた仕事を辞めて。


――結構思いっきりがいいですね。


うん。それが何でできたかっていうと、ちょうど姉が体調を崩して、私がいたら助かるみたいに言われてたのと、姉の家から学校が通える距離だったから、丁度タイミングが一致して、お互いにプラスなことがあるならっ思って、4ヶ月ぐらい、その資格を取るために学校に通ったの。


――そうなんだ。結構長かったんですね。


うん。1日中勉強してたしね。 ちゃんと話聞いてないとついていけないし、周りはもうすでに図書館で働いてて、仕事の一環で資格取りに来てる人とかが結構多くて、何もやった事がない人で通っている人ってそうそういなかった、その時はね。バイトしながらだから、大変だったけど、図書館とかで一生懸命調べて、なんとか資格が取れてね。


――あー良かった。


その後は、姉も元気になったから帰ってきて、図書館で働こうと思ったの。それで、調べたら、図書館で働くには公務員にならないといけなかったの。
今はね、いろいろな道があって、パートでも働けるけど、自分が20代前半の時は、公務員になって、図書館に配属されて、図書館で働けるっていう狭き門だったから。 そこから公務員試験を頑張って、バイトしながら1年間一生懸命勉強したの。
公務員試験は独特の問題とかもあって、難しいんだけど、勉強してて面白かったよ。勉強したおかげで試験も合格できたし。やっぱり勉強したら勉強しただけわかるんだなと思ったし、高校受験の時さえ勉強しなかった自分が公務員試験ために1年間頑張れたのは我ながらすごいと思う。
それで公務員になれて、希望は図書館ですって言ったのね。その時新しく図書館を作るっていう話を聞いたんだよ。だから、そこに配属されたいと思って。そしたら、図書館できなかったの。小っちゃい図書室みたいなのはあったけど、それが図書館になることは無くて、公務員はそこには配属されないっていう。 結局 5年間働いてて、1回もそういう仕事は出来なかったの。


――なるほど。悲しいですね。


うん。その後は、せっかく試験合格したから、5年間は働いたけど、私に公務員はあまり向いてなかったから、やめたいと思ってた時に妹の誘いでワーキングホリデーに行ったって感じ。